学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

タイムプレッシャー タスク管理を集中力に変えよう

一度、タスク管理とスケジュール管理の話を書きました。このあたりは、目標の立て方、課題の発見の仕方、そして、手帳の使い方、とつながっていきます。

このあたりは少しずつ、紹介していきます。

今日はタスク管理の話と、それを利用して集中して学習してしまおう、という話です。

中学受験の場合、このあたりは、多少なりとも親が手伝ってあげなければいけませんし、そもそも親がスケジュール管理的に、時間で計画を立ててしまうと、まずいですよね。

だから、まずはタスク管理をしていく必要があるわけです。まずは前回の話ですが、比較的好評のようでしたので、もう一度確認をお願いします。

manebi.hatenadiary.jp

さて、今日はこのタスク管理をどのように達成していくかを、ちょっとすっとばして説明してしまいたいと思います。

やっぱり、理論的なことより、何かこども、あるいは自分が集中して学習に取り組めるテクニックなようなものってほしいですよね。

そういう小さな実感の積み重ねが、自信になっていきますし。

 

 課題をどうきりわけるか

前回の話は

何時間勉強するかではなく、どれだけ終わらせるか

ということでした。

そうなってくると、課題自体のきりわけが必要になってきます。

大きくわけると、

いつまでに、〇〇を終わらせる=一日〇ページやって、〇月〇日に課題を終わる

という目標=期日目標

毎日〇〇ページ終わらせる=毎日必ず〇〇をする

という目標=ルーティン目標

にきりわけることができます。

これはどちらがいいか、ではなく、自分がやっている課題がどちらに向いているか、何を求めているかですね。

たとえば、同じように問題集をやるとしても、

〇月〇日までに終わらせる、〇月〇日までに何周すると、目標を立てるなら、それは期日目標ですよね。

そこから計算=逆算して、毎日〇ページやる、毎週〇ページやる、と目標を立てれば、それはルーティン目標に変化します。

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だから、どちらがいいとかではなく、それは目標の立て方です。

でも、なぜ、いま、こんなことを書きだしたかといえば、より重要なのは、期日目標であるからです。

ある一定の期日までにある一定の課題を終わらせるという計算のもとに、毎日の量=ルーティン目標が決まってくるわけですね。

だから、まずは、この期日目標をしっかり立てることが重要なのです。

感覚的には、

毎日やる

いつまでにやる

と比べると、「毎日やる」の方が気楽にできますよね。だからこそ、期日目標をしっかり立てるべきですね。

 

タスク管理を目に見える形にするために

では、期日目標を立てたときに、どのようにこれをやる気にするか、ということです。だいたい、「毎日やる」の方がわかりやすいですから。

1日〇ページやる

という感じになったとして、これが期日目標になっているか、ということですね。

親なり、自分なりが管理して、1日〇ページやる、そして、結果〇月〇日までに〇ページ終わる。

いけないことは何もありませんが、これが継続できるか、というのが、今回の話のポイントです。

〇月〇日に〇ページ終わらせるために、毎日〇ページやる

これがなかなか大変です。親だとするといらいらしちゃいますし、自分だとすれば、だんだんいい加減になっていく。

さあ、いよいよ課題をどのようにとりだして集中力にかえていくか、ですね。

まず、イメージとして必要なのは、全体像をイメージする、ということです。すごくわかりやすく書くと、全体像を数値化して、グラフにしておくようなイメージですね。

そうすれば、少しずつ達成していくイメージが実感できます。ちょうど、シールを貼ってゴールを目指すようなイメージでしょう。

さて、ここでふたつの転換をお願いしたいです。

一つ目は、数値ではなく、見出しをつけていくこと。この見出しを書きだすことはとても重要な作業です。今、何をやっているか、どんな項目をやっているかを意識することはとても重要です。

これは、見出しを書き出して、シールを貼っていくとか、タスクを書き出して線をひいて消していくとかそんな感じです。

そしてとても大事な二つ目は、早くゴールにたどり着かせること。

なかなかゴールにたどりつかない戦いをするのは大変です。だから、早くゴールにたどりついた方がいい。

ひとつの考え方は、長期目標をさらに切り分けて、1週間から2週間でゴールになるような表を作って達成させることです。ゴールにたどりついたら、「表彰」。ポイントは、「ゴールにたどりついたことを表彰すること」。賞品はだめです。ゴールにたどりついたことそのものが、ご褒美なのですから、それ以上のご褒美は逆効果。「ものをもらうためにがんばる」のでなく、「ゴールにたどりつくために頑張る」のです。

さて、切り分ける、と書きましたが、理想的には本当にゴールさせた方がいいです。たとえば、中学受験で4年生あたりだとすれば、5年生や6年生のものをやらせるのか、という問題が出てきますが、6年生で4年生や5年生の範囲を復習させるようなイメージだとすれば、違う切り分けをすべきです。

つまり、1周目で、全部をゴールさせる、という形です。

算数で考えてみたらわかると思います。たとえば、例題だけをやるとしたら。ほかの一切をやらず、例題だけを1周目でとく。2週目は基本問題だけをとく‥というように、少しずつレベルアップしていくと考えるなら、何度もゴールテープを切ることができますし、見出しを書き出す意味、意識することも強化されます。

歴史で考えてみるなら、この間も書きましたが、トータル最低で5周、できれば7周ぐらいしたいところ。この間に徐々に見出しを覚えていくとするなら、それで十分。1周目はそれこそ、大見出しだけ覚えればよく、徐々に細かい見出しを覚え、最終的に教科書の文章が頭の中に入るようなイメージです。

  • 見出しを書き出すこと
  • 1週間から2週間で達成するゴールをつくること
  • 表彰は「ゴールしたこと」をほめる
  • 全体を何度もゴールさせること

 

シールを貼る発想の注意

というわけで、意外と中学生ぐらいまでは、シールを貼るようなイメージが、効果があります。うちの2歳のこどもがアンパンマンのシールを喜んで、ごはんを全部食べたり、トイレに行ったりするのとたいして変わらないことが、中学生ぐらいまでは起こります。

さて注意点。

その1 他人と比べない

よく、塾などで全員のものが貼られますが、教員としてコメントすると、できる子にはいいですが、できない子はこのことでやる気がなくなります。負けている、あるいは追いつけない勝負はだめです。

もし、先生がみてくれているなら、ほめの時にどんどんシールをあげる手法の場合は、競わせずに、その子だけが見れるシール帳にはっていくというのがおすすめです。

その2 コンプリートできないシールは使わない

これはよくあるパターンですが、1回目合格だと金、2回目だと銀、3回目だと青‥というように色を変えてしまうパターンです。このシールの発想はコレクションです。ありとあらゆるコレクション型のものはコンプリートできるから中毒になる。ゲームなんてほとんどこの発想で、中毒にさせます。これが金を最初からあげなかったら、このゲームは終わりです。

もし、こういうやり方をどうしてもしたいなら、「合格したらいつでも金」。

そもそも、これはタスク管理です。スケジュール管理なら、今日疲れて寝たらコンプリートできません、で仕方ないですが、タスク管理なら、今日疲れて寝てしまっても、明日今日の分もあわせてやればコンプリートですよね。だから1週間から2週間で達成できる見出し、達成したかしないかで、いつでも貼れるシールが大事なんです。

タイムプレッシャー

これでタスク管理を具体的にあげることができました。今日のもうひとつのポイントはタイムプレッシャーです。人間の集中力をあげるためには、このことを意識するとだいぶ変わります。

必須アイテムはタイマー、ストップウォッチですね。

一定時間で量を競う

たとえば、漢字を書くとするなら、ある一定時間で何字書けるか、何問解けるか、何字覚えられるか、を記録します。記録をきちんと書き出していき、最高記録をかかげていくわけです。算数の問題を何問解けるか‥なんていう感じです。もちろん、正解したものだけカウントすればいいわけで、結構、のってきますよ。

社会とか国語の要約なら、今日の文章の言いたいこととか、今日の授業で覚えたことを文章で書くとかいうのを時数で競うのです。

実はここには3分間作文と呼ばれる手法があるので、次回紹介します。

一定量で時間を競う

もうひとつの発想は、一定量、たとえば10問を最短何秒で解けるか、を競って記録します。漢字だったら、今日の範囲を何秒で覚えるかとかいう形でしょうか。正解しないと意味ないと思うなら、たとえば、親が覚える時間を「用意、ドン」でストップウォッチをおし、本人が「覚えた!」といったら、ストップ。テストして全問正解したら、記録認定、なんていかがでしょう。

こうしたタイムプレッシャーは、とにかく集中力を高め、やる気に火をつけます。私は国語なので、3分間作文を多用しますが、この手法はぜひおぼえてください。

もちろん、これも記録として張り出していくといいですよね。

この続きは3分間作文として一回まとめます。