学びの真似び(まねび) 学び続ける人に

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

どんな生活をすると成績があがるの? 成績と生活習慣の関係

学び方についてのこのページもだんだんと書き進めることができるようになりました。マインドマップと5回から7回の繰り返しの話ができれば、ある程度学習方法の根本的な部分は説明できます。

ということで、今日は少し、コラムのような形で書きすすめたいと思います。

生活習慣と成績の関係ですね。これは、うちの学校のデータをもとにお話をしていきますので、もしかしたら、全体的なことからは少しずれていく可能性がありますが、ある程度の進学を意識している生徒の中での比較、ととらえていただければ、あながち、無意味なことでもないと思います。

では、はじめましょう!

 はじめに:相関関係と因果関係

まず、この話をしていくときに、この話は、あくまでも、関係があったとしても、相関関係であって、因果関係であるかどうかはわからない、ということですね。

データとしてみた場合には、

  • 偶然であって、実際には関係がない。
  • 相関関係ではあるが、どちらが原因かはわからない。
  • 因果関係である=〇〇すると〇〇になる

というあたりをしっかりおさえなければいけません。

たとえば、

暴力的な映像を幼少期にたくさん見た子供は、大人になってから暴力的な言動が多くなる

というようなデータを見たからといって、「暴力的な映像」が「暴力的な言動」を導き出すとはかぎりません。実験として正しいためには、それ以外の要素がすべて同じなら、因果関係を認められますが、それ以外の要素を無視していれば、ほかの要素の可能性もあります。

たとえば、暴力的な映像を幼少期に自由に見せる家庭を考えてみれば、「親が子供の教育に熱心でない」かもしれませんし、「経済的な理由」で親が働き子供の面倒を見ていなかったのかもしれません。データ上の相関はあっても原因かどうかははっきりと言えない、ということですね。

このあたりは、ベストセラーではありますが、「学力の経済学」を読んでいただければと思います。最近でいうと、慶應の小論文で、相関関係と因果関係を問うた問題が2年連続で出ましたよね。 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

 

というわけで、私は実証的に何かを調査をしたわけではないので、これから書くことが、相関関係であるとは思っていますが、因果関係であるかどうかはわかりません。

ただ、この話を因果関係であるかどうかというところまで、踏み込んでしまうと書くのも大変になってしまうので、根拠はありませんが、「因果関係」であるという書き方にしてしまいます。

参考にしていただければと思います。

成績との関係1:朝ごはんと起床時間

まず、成績と密接な関係があると思われるのは、朝ごはんを食べているかどうか。

このこと自体が成績につながるとすれば、脳の栄養源であるブドウ糖が、朝ごはんを食べていたとしても、午前中で切れるわけですから、食べていないとすれば、当然、途中でエネルギー切れになるということでしょう。もちろん、ご家庭の意識が現れる、とみることもできますが、やはり朝ごはんは必須のようですね。

もうひとつ興味深いのは、起床時間が成績との相関があるということです。ちなみに学校が家から遠い人も、近い人もいますから、出発時間は成績との相関はありませんが、不思議と、起床時間は相関が生まれています。

中高生ですから、時間がなくなれば、朝ごはんを食べなくなるという可能性もありますが、それ以外で考えると、

  • 起床時間が遅い、ということは夜更かしと関係がある可能性がある
  • 起きてから学校に行くまでの時間が長い方が、準備がしっかりできたり、今日やることを無意識に確認できたりする可能性が出る。
  • 学校に余裕をもって行く方が、授業の準備がしっかりできて、授業にしっかり取り組める

というようなことでしょうか。

成績との関係2:読書と新聞

読書と新聞は、両方ともよく読むにこしたことはない、というのはわかると思います。難関大合格者にしぼっていくと、やはり両方ともよく読む可能性が高くなっています。

それで、新聞と読書をわけてみたときには、本校(私立中高一貫)の場合ですが、実は差が出ています。

より成績の差異として現れるのは、新聞であるということです。

本校にかぎっていえば、読書量は極端なことを言うと、成績相関がほとんどない、といえるレベルなのです。

おそらく、ですが、小学生やある程度までの学力層であれば、読書という行為、たとえば、活字を読む、文章を読む、ということが成績を向上させるのではないかと思われます。それこそ、まんがでさえ、活字のひとつといえますから、まったく何も読まない子供と漫画を読むこども、あるいは本を読む子供、と、だんだん成績があがりそうな気がします。

しかし、一定の学力をつけた中高生の中での差異となってくると、「読む本の質」が問題になってくるのではないかと推測しています。

つまり、ファンタジー小説(決して悪くいうつもりはないですよ)のようなものをいくら読んでいたとしても、難関大学合格にはあまり関係がない、ということではないでしょうか。自分とは違う他者、あるいは知識につながるような情報。自分の知っているせまい世界の本では成績があがらない、ということではないかと思います。

manebikokugo.hatenadiary.com

manebikokugo.hatenadiary.com

それに比して、新聞による情報は非常に成績相関があるようです。

最近では新聞をとらない=ネットですませるご家庭も多いようですが、それは次以降の話から考えると、しっかり新聞を「とる」「読む」ことは大事だと思います。

成績との関係3:ゲーム、パソコン、スマホ

これは、負の相関であることは簡単に想像がつきますね。

ゲーム、パソコン、スマホはすべて、やればやるほど、成績は悪くなっていくようです。(繰り返しになりますが、相関があるということで、因果関係かどうかはわかりません。)

残念ながら、成績の上位層でも時間は増える傾向にありますが、それでもなお、成績相関は高く、確実にやっている時間が長いほど、成績層は悪くなります。

睡眠時間なのか、行為そのものなのか‥

ということを考えるために先に進みます。

成績との関係4:テレビ

これはどう思いますか?

実は親の世代から想像もつかないと思うのですが、テレビは見ている層ほど、成績がよい、という結果になっています。

驚きですね。

この項目は、家でどのように過ごすか、という質問と成績相関を見ているのですが、一番成績がよい層は「何もしないでのんびり」とか「家族と過ごす」などの答えが多い

という前提で、次に多いのが「テレビ」なのです。

成績が悪い層になると、これが「ゲーム」「スマホ」「PC」になり、「テレビ」がぐっと減っていきます。

あくまでも、本校のデータではありますが、推測するに、

彼ら=中高生(小学生の保護者の場合はおそらく現在はコントロールしているか、そもそも与えていないわけですから、このあたりの状況は大きく変わりますが、中学校に入学したら、とお考えください)にとって、スマホで何をやっているかというと、

SNS・ゲーム・短い動画

だけ、といっても過言ではない、ということです。

大人のように、ネットでニュースを見たり、SNSといっても、学びにつながる情報をシェアしたり‥というようなことは中高生にはほぼ期待ができない。

近い友達と雑談に近いことを繰り返したり、ちょっとしたおもしろい画像や動画を共有したり、ゲームをしたり、一番社会的なものであったとして、趣味(たとえばアニメや漫画やアーティスト、スポーツ)などの情報交換であるということですね。

これが、電車の中や部屋の中でも続いているとすれば、自分の趣味の領域を越える社会の情報がほとんど入ってこないような状況になっているともいえます。

小学生の保護者からすれば、「テレビなんか見ないで勉強して!」となるわけですが、

中高生になると「スマホやってるよりテレビを見せた方がまし」ということになりそうです。

そういえば、最近のテレビには、

  • 映画の名作が消えた
  • 時代劇などのドラマが消えた
  • ネットのおもしろ動画をつなぐような番組が増えた

などの特徴があると私は思っているのですが、若いこどもたちからすれば、長い時間拘束されて、ストーリーのあるものを追うなんていうことは、彼らの慣れ親しんだメディアからは一番遠いものなのかもしれません。

成績との関係5:手帳の利用・目標設定とルーブリックによる自己評価

もうひとつ、本校のデータでおもしろいのは、手帳や目標設定などの自己管理、学習方法などの評価、他者との協働についての評価、についてルーブリックを作り、自己評価をさせていることです。

レベルでみると、「言われたこともできない」「言われたことをとりあえずやる」「言われたことだけはしっかりやる」「自分で考えてやるが、改善修正ができない」「自分で考え修正して成果をおさめる」というような感じで評価をさせています。

これを成績相関でみていくと、実はだんだん成績があがっていく、つまり成績相関がある状態になっていきます。

ただし、一番成績がよいのは6学年とも「自分で考えてやるが、改善修正ができない」と評価しているグループで、その上の「修正できて成果が出ている」と答えるグループはガクンと成績が落ち込みます。

中学生、高校生としては、「言われたことをきちんとやる」そして「自分なりにがんばろうとする」ぐらいが、一番いい状態。考えてみれば、PDCAなんて、こどもたちにとってはうまくいくはずもなく、歯ぎしりしながら、悩みながら、工夫していく、というのがこどものベストということです。

逆に、そんなハイレベルのことを「できてる」と思っている子供はあぶない、ということかもしれないですね。できてると思ったら、それこそ改善はされないですものね。

ということで、今回は、生活習慣と成績の相関の話でした。